No items found.

♯soundsandthings

作家:

大森克己

会期:

2015年7月4日(土) 〜 7月26日(日)

iPhone 6 によって撮影され、Instagram などの SNS を通じて発表され続けている 大森克己のプロジェクト「 #soundsandthings 」のプリント作品を展示します。写真と言語をどのように結びつけてくのかという大森克己の新しい問いかけです。


昨年末に新しいデジカメを手に入れた、って iPhone 6 なんだけど。いろいろ触って試してみたらこのデヴァイス、なかなかの性能だ。ほんとうに写りが良いし携帯性も機動力も高い。当たり前ですね。ケータイなんだから。以前は携帯電話で写真を撮影することに何かしら言い訳のようなものが自分の中にあったのだが、いまやごく普通のカメラとして活躍し、「デジタル写真」というものがついに自分のモノになったように思えて、なかなかにうれしいものである。毎日出会った景色や人を撮り、間髪を入れず SNS で公開する。そしてあまたある SNS のなかでも Instagram がこのところ自分の写真を公開する主要な場所のひとつになってきた。自分の写真を様々な人が見てくれるということはもちろん楽しいのだが、それよりも、#(ハッシュタグ)という機能によって、自分の写真があるひとつの言葉(#なんとか)を軸にしてまったく知らない人が撮影した写真や映像と一緒のグループに分類されることにドキドキする。例えば、#土門拳とか # williameggleston と自分の写真にタグ付けすることで、Instagram 的「写真史」のなかに自分の写真が、自動的に組み込まれる訳だ。#khorsabad によって、古代オリエントの世界と同時にイスラム国にもつながっていく。#を考えることは、写真や映像を見て、そこに写っているものだけでなく、写真のなかの目に見えづらい様々なレイヤーをどのように言語化するのか、というレッスンでもある。(大森克己)

プロフィール

1963年兵庫県神戸市生まれ。1994年、第3回写真新世紀優秀賞。国内外での写真展や写真集を通じて作品を発表。2013年東京都写真美術館でのグループ展「路上から世界を変えていく」に参加。2014にはMEM での個展「 sounds and things 」、PARIS PHOTO 2014 への出展など精力的に活動を行っている。主な写真集『サルサ・ガムテープ』(リトルモア)『encounter』(マッチアンドカンパニー)『サナヨラ』(愛育社)『すべては初めて起こる』(マッチアンドカンパニー)など。7月11日より、東京 恵比寿 MEM にて個展 “ when the memory leaves you “  - sounds and things vol. 2 を開催。

gallery trax  since 1993